よし子(二代様)が岡田家へ嫁ぐ時のお話ですが、明主様の方からは、『せっかく結納まで取りかわしたが、ある人の関係でこちらには借財(しゃくざい)ができたし、気の毒だからこの話は一時中止にしよう』と言って来たことがあったらしいのです。
けれども、よし子の方としては、「結納がすめば、からだはこちらにおりましても、もうすでにむこうの人間ですから」ということで、めでたくお輿入れすることになりました。
相当の借財があることなどは、隠して嫁をもらうというのが世間の常ですが、明主様はありのままを言いなさる。岡田さんて方は、ほんとうにまじめで良い方だと思いました。
それで、いまも申しましたように、「借財があって、たとえ裏長屋へおはいりになっても、一旦嫁がせたかぎりは、そちらさまのもので、お金などはお互いに努力すれば出来ることですから」と、吉日を選んでお式を挙げました次第ですが、いざ新妻となると、明主様は散歩なされるのにも、ひとりではなさらないというやさしい方で、よし子もかわいがられて、ほんとうに幸せでした。