昭和十五年、初めて明主様にご浄霊をお願いに行った時のことです。
明主様は、私のからだをひと通りごらんになって、『あんたは、よほど丈夫とみえる。こんなに毒素を満載していても生きているんだからな。まあ健康なんだから、浄霊はことわるよ』と言われました。
私はその意味がハッキリわからなかったので、「私は、医者から腸結核で今年いっぱいの命だと言われ、遺言まで書いているくらいですのに、どうして健康とおっしゃるのですか」とたずねますと、そばに置いてあったコーヒー茶碗を指して、『これにコーヒーがいっぱいはいっているように、あんたの体には毒素がいっぱいはいっているんだ。私が治療(浄霊)すると、 あんたが、いくらそれを出したくないと言っても出るんだ。出るとあんたの体がもたないから、いまのまま、そっとしておいた方がいいだろう。だからことわるよ』とおっしゃったのです。
「では、なぜ他の人は治療されても、私はだめなのでしょうか」と申し上げますと、『あの人らは市井の人で、医者でもだめだと言われて、私の所へ来ているのだから問題はないが、あんた方のグループ(ご主人が海軍の高官、グループとは海軍軍人などを指す)はうるさいからな。万一死にでもすると新聞沙汰になる。あんたひとりを救おうとして、反対に何十人の生命を捨てることになる。私は、位があり、宣伝力のあるひとりの生命より、何十人の生命の方が大事だよ。だからあんたはことわるんだ』と言われるのです。私は「大丈夫です。どうせ医学では治らない体です。遺言まで書いてある私ですから、けっしてご迷惑はかけません。おまかせいたします」と申し上げ、お許しいただいて、それから毎日ご浄霊に通いました。