昭和十三年ごろは特別講習というのがあって、受講修了者を集めては、明主様から病理や臨床などに関するご講義をいただいたのですが、ちょうどその夜は特別講習があり、旧信徒も交えて十人ぐらい集まりました。そして、渋井先生も特にお許しをいただいて、その会に列していました。
明主様はご講話を終えられ、ご入浴になりましたが、ただちに浴場へ私をお呼びになり、『あの○○の隣りにすわっていた、初めてみる肥った男はどういう人か』とおたずねになったのです。
私としても氏名、職業、質問の様子ぐらいのことしか返事のしようもなかったのですが、明主様は、『あの人は非常に頭のいい人だ。将来きっと役に立つよ』とおっしゃいました。その時は、私も、「そうかなあ」と思ってお言葉がピンと来ませんでしたが、後年になってそのご慧眼のすばらしさに驚嘆した次第であります。