書籍

叱られるのがこわさにつく嘘

 明主様はある日、つくづく仰せられました。  『いまの世の中の人間は、実に嘘をよく言う。アメリカなどでは少ないようだが、特に日本人は、ほとんど嘘つきといってよい。毎日訪問に来る客でも、まったく嘘をつかぬ人は少ない。ひとこ …

精出してザルで水汲む愚か者

 ある時、明主様はおっしゃいました。『最もひどいのは、神様をごまかせると思っている奴だ。そうとすれば、人間が神様より上だということになる。どんなにうまくごまかしても、嘘はかならずバレる。そのような嘘で固めて成功すると思う …

人の目はごまかせても神の目は

 昭和二十三年、清水町時代のことです。  当時明主様は、毎晩ご揮毫は六時四十五分からはじめられましたが、ご揮毫の場合、私どもお側でお手伝いする三人は、まずお部屋を掃除し、準備万端整えてから、明主様をお迎えさせていただくの …

鏡のような正直さに徹せよ

 長年、私はおそばで御奉仕させていただきましたが、明主様は、実に驚くほど正直なお方で、人の言うことは、なんでもそのままおうけになりますが、それでいて、絶対にごまかすことは出来ませんでした。  ある時明主様は、『私が、やむ …

“わからない”と正直に言える人

 明主様は、『私にはわかりません、と言うには勇気がいる。しかし、ほんとうに判らないのだから、正直に言えば、逆に信用は増すものである』と仰せられたことがありますが、自分の立場にとらわれず、わからないと言える人にして、はじめ …

なぜ到来物と断わらないか

 これは、私がある先輩の先生からうかがったことです。明主様が、『これあんたに上げよう』と、献上されたものの中から、ある品物を私の先生に下さったのです。  先生は、“どうしてこれを自分に下さったんだろう”と思いながら、家に …

奉仕のまことを汲む誠ごころ

 戦時中、明主様が鮎を大変お好きであることを聞き、なんとかお届けしたいと思い、生の鮎を送るには鉄道の便が悪かったので、入手困難であった魔法瓶が辛じてひとつだけ手にはいったので、早速お届けしようと、午後八時発の夜行に乗ろう …

この誠をもち続けるなら……

 昭和二十年の五月、私は初めて東山荘で明主様にお目にかかりました。  その日、明主様から特別のお言葉をいただいたわけではありませんが、“明主様にお目にかかれた”という身にあまる光栄に感激し、それから郷里の伊豆に寄って、時 …

同じ品でも誠のあるなしでは

 献上品を持って上がるのに、乗物の時間の都合やら、不精な気持ちも手伝って、途中で買ったり、つい近くへ行ってからまに合わせたりすることがありました。そんなとき、明主様はなんともおっしゃいませんでした。  献上したいと思い、 …

『ありがとう、うまかった。よろしい』

 あるとき、箱根へ明主様のお好きな鮎をお届けに上がりますと、『部屋へ通しておけ』とのことで、私は神山荘の一室に通されました。  お待ちしていますと、しばらくして、明主様がタッタッタと早や足ではいって来られ、『鮎をもってき …