書籍

 一首を一分三秒

 よく有名な歌人は、月に二、三首しか作らぬということを聞きますが、明主様は、御讃歌でも道歌でも、叙情、叙景、相聞歌とどんな歌でも、あれほどすぐれ御歌にかかわらず、決してご苦作なさることはなく、お楽しみになられるごとくご口 …

ラジオを聴きつつ作歌

 昭和十年、大日本観音会時代のことです。  明主様は非常にご多忙だったために、遅れていた御讃歌を、祭典の時間のかなり迫った間際にお詠みになったことがあります。  その時は、来客とお話なされつつ、ラジオをお聞きになりつつ、 …

『おまえは私の万年筆』

 私は約四年間、明主様のご口述筆記のお手伝いをさせていただきましたが、その間、自分でも不思議なほど、おっしゃるお言葉の筆記にこと欠かないくらい、字を知っておりました。いや、知っていたと申しますよりも、お言葉を発せられます …

『原稿が余って困る』

 現在の栄光紙は、昭和二十四年三月、明主様のお言葉によって創刊されたものですが、明主様ご在世中は、ご自身が編集長であり、記者であり、また校正者として創刊以来編集して来られました。  ですから、自らご執筆になられたものはも …

楽しみながら口述

 『栄光』や『地天』に出される御論文のご口述は、毎晩十二時前後より始められましたが、明主様は実に 楽しみながらなさいました。そして、まず一時間もされれば、原稿用紙十二、三枚は楽にご口述になられました。   ですから、いつ …

より平易な表現へ

 明主様が、御教えとして遺しておかれました御論文は、厖大(ぼうだい)な数になりますが、この御論文は、すべてご 口述の形でまとめられるのが常でしたが、口述されたものは自ら加筆され、どう表現したら、もっとも信者にわかってもら …

素直さのテスト

 ご口述のお手伝いも、かなり馴れてまいりましたころ、素直さということで御教えをいただいたことがありました。  それはご口述になられたお原稿をご訂正になり、それをまた清書させていただいているときのことです。 ご文章の中のあ …

生きて躍動する御書

 お仕事の一例をご揮毫にとらせていただきますと、百体の御神体などの御書体をお書きになりますのに、三十分とはかからず、「おひかり」なら百体を七、八分ぐらいですみますし、数百体を一度にお書きになりますが、なんらお疲れのご様子 …

筆ダコに涙が出た

 昭和二十九年のことです。明主様はいつものようにご調髪されたあと、私に向かって、『私の手にさわってごらんなさい』とおっしゃるので、私はなんの気なしに、明主様のお手を拝見いたしました。  明主様のお手は、柔らかで、キャシャ …

御神体を綱にかけて乾かすとは

 私が御神体の御用をさせていただいていて、明主様からお叱りを受けたことは、数え切れないほどです。  たとえば、明主様は、いつもラジオをお聴きになりながらお書きになりますが、ラジオの調節がうまく行かなくて、雑音がとれず、よ …