「附記」

心配だけで消えた罪

 明主様は、品物の扱いについては、非常に厳しくあられました。御奉仕の人はよく、『言われたとおりしない』といってお叱りをいただいたものです。  いつかある人が掃除の最中、フトあやまってお気に入りの香炉を壊してしまいました。 …

私はゆるしても神様は

 いつ、なんのことでか忘れましたが、お詫びに上がらせていただいた時のことです。  明主様は、『気がついてよかったなあ』と、他になんにもおっしゃらないで、ひと言だけ、しみじみおっしゃいました。私は冷汗をかきましたが、すっか …

いい気持ちでいると

 明主様からお叱りいただく時は、たいてい、いい気持で伺った時でした。ところが、失意のような状態でお目にかかった時は、決してお叱りがありません。  たとえば、御用が順調に行かない場合、「思うように運びませんで、申しわけあり …

鍋にかこつけた言いわけ

 物資の不自由なころのことですが、黒鯛が手にはいりましたので、バター焼きにしてお出ししたのです が、フライパンに穴があいていて真っ黒になり、皮がむけてしまいました。  私は、「フライパンに穴があいていましたので」と申し上 …

『理由をきいているのじゃない』

 いつか明主様から、ある所の戸をあけておくようにといわれたので、私はあけておいたんですが、だれか掃除に来てしめてしまったところへ、明主様がいらしたのです。  早速、『戸をあけておくように言ったろう?』とおっしゃったので、 …

叱るとまずくなるから

 明主様のお料理を作る時は、常に気が抜けませんでした。他のことを考えながら、うわついた気持で包丁を握るなどということは出来ません。それだけに、出来るだけ気をくばりながら御奉仕したせいか、料理でご注意を受けることもなかった …

『なぜ図案を見せないのか』

 私は、大成会という会名をいただいたので、バッジを作ろうと思い、実物どおりのものを半月もかかって作らせ、それを明主様にごらんに入れました。  「こんど、こういうバッジを作ろうと思いますが、いかがでしょうか」とお伺いします …

気づかせて心の隙をなくす

 お叱りを受けて奉仕者が沈んでいる場合、明主様は、必ずなぐさめて下さいます。  たとえば、『おまえたちが悪いわけではない。私の側へ来ている者で、私を苦しめに来ているものは、ひとりもいないはずだ。おまえたちが失敗したり、間 …

あとは笑って互いに忘れる

 明主様は、何かでお叱りになられましても、叱りっぱなしではなくて、その後に必ずご冗談をおっしゃられました。  そして、『叱りっぱなしだと相手も気持が悪く、自分も気持が悪いから、あとは笑いで過ごす。それで全部をお互いに忘れ …

おしかりのあとの冗談

 明主様は表面おおらかで、なにごとでも打棄っておかれるように見えましたが、その実、いかにも小事小悪も隠蔽は許されませんでした。全く“天網恢々疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず”と言いましょうか、寸毫といえどもあいまい …