『商売と切り離してならもらう』
明主様と二代様が結婚される前、正式なお見合ではないですが、お見合のようなことをいたしました。 “ちょうど、二代様がおばさまと伊香保へ何時の汽車で行かれるから、その時ごらんになったら”ということで、明主様は上野駅へ行か …
縁組にも借財を隠されなかった
よし子(二代様)が岡田家へ嫁ぐ時のお話ですが、明主様の方からは、『せっかく結納まで取りかわしたが、ある人の関係でこちらには借財(しゃくざい)ができたし、気の毒だからこの話は一時中止にしよう』と言って来たことがあったらし …
車と車を綱で結んで
明主様ご夫妻の仲は、円満の一語につきます。どこへゆくにもふたり連れで、決してひとり歩きはされませんでした。 最初のお子さん(通子さま)がおなかにおられた時に、こんなエピソードがあります。 ふたりが車でお買物に出かけ …
『奥さんを大事にしない人は出世せぬ』
ある座談会で二代様が、「明主様は、外出なさる時、必ず私を連れてゆかれました」とおっしゃってますが、お外出はもちろん、お庭のお散歩もご一緒でしたし、箱根美術館や救世会館の設計から造苑、美術品のお買上げ、あるいはお花の生け …
厳しさの中にもユーモア
明主様は、二代様が大変お好きだったということが、何かの形でいつも感じとれました。たとえば、おふたりでお出かけになられる時、いつも明主様は、二代様のおはきになられるストッキングを、ご自分の着物のたもとへ入れて持っておられ …
『バカもバカ、本バカだよ』
大森にお住いのころ、私もしばらくご厄介になっておりましたが、その時分、お手伝いさんは三名おりましたが、なんといっても、まだご質素なご生活で、朝食など、いり玉に味噌汁、塩鮭ぐらいでした。 そして、朝食を終わられるとお店 …
「今度から水筒もって来ましょうね」
私は時々、デパートにお供さしていただきましたが、ある日、食堂でお休みになっていられる時、明主様がお水をご用命になりましたが、なかなか持って来ませず、大変ご立腹になり、『支配人を呼べ』とおっしゃられました。 その時、二 …
ラジオの長唄にも気をくばって
明主様のご夫婦愛についてですが、ラジオで長唄があり、そのとき二代様がラジオを聴いておいでにならない場合など──特に吉住先生の長唄などのときには──必ずそれを、『奥さんに知らせてあげなさい』とおっしゃられるのです。 『 …
『枕をもって来い』
明主様が東山荘にお住いのころです。 お揃いでお出かけの際、二代様がお化粧をなさるあいだ、明主様は、納戸の所で待っていらっしゃいます。 二代様のお化粧が長くかかると、明主様は、『枕をもってこい』とおっしゃって、枕をお …
お父さまに古物談義
あのころ(二十二、三才)の明主様は、夕ご飯が終わりますと、必ず銀座をひと廻りされるのが日課になっておりました。それもただ散歩されるということでなくて、銀座にはたくさん夜店が出ておりましたから、そういう夜店のうちで古道具 …