【御用に当たって】

挨拶にも順序がある

 ある日、私たち弟子は富士見亭に集まっていたのですが、そこへ長唄の稽古から二代様が帰ってこられました。  そして、私たちが“こんにちは”とご挨拶する前に、二代様が、「よくいらっしゃいました」と言われたのです。  すると、 …

座席の順序が逆であれば

 かつて宝山荘時代、私は受付事務を担当させていただくこととなり、一人の助手と玄関の広間に並んで御用につきました。  ところが、ふたりのあいだには、妙に不可解なトラブルが起こるようになり、気分的にしっくりゆかなくなって来ま …

順逆を知り、順道を行け

 明主様が水晶殿にお出ましの時で、風がたいへん強かったある日のことです。  いつもは水晶殿をごらんになられて、それから救世会館にお出ましになり、お帰りになられるのが順序だったのですが、私は、その日あまり風が強いため、会館 …

ありがとうとお世話さまとのちがい

 妻が大浄化で、私は明主様にご浄霊のお許しをいただき、妻を伴って参上しました際のことです。  明主様のご浄霊中、ご家族の方がそのお部屋にお訪ねになりました。そのとき、妻がご浄霊をいただいている最中でしたが、ご挨拶をしよう …

折り目けじ目をはっきりと

 明主様は、節度というか、折り目、けじ目をハッキリつけないとよくお叱りになりました。  お手伝いさんなどでも、どこかへお供で連れて行ってもらって、帰宅しましてからお礼を言わないとよく叱られました。やはり、お礼を言うのが柑 …

師と仰ぐ人への礼節

 私が大磯へお嫁に来てからですが、私のお茶の先生を、一度箱根の明主様の所へお連れしたことがありました。  その時、明主様は『いつも子供がお世話になっています』とちゃんとご挨拶して下さいました。ああいう立場におられる明主様 …

神前の無礼は許されぬ

 いつか、観山亭の床の間に明主様のお描きになりました観音様を、明主様のご指示によって、お掛け替えしたことがあります。  その時私は、和服姿で素足のままお掛けいたしました。  その様子を明主様がごらんになられて、『おいおい …

人前でアクビをする時は

 ある日の御面会で、明主様のお話が始まりますと、あちこちから妙なウナリ声や咳、シャックリが始まり──うるさくて申しわけないな……と思っていますと、私のそばの人が突然大きなアクビをされました。  とたんに明主様は、『人前で …

信仰の真髄は礼節にある

 昭和二十五年二月四日のことです。  その日私は、清水町仮本部に御用があって伺いましたところ、ちょうど明主様が、お車でお出ましになられるところでしたが、お見送りの女子奉仕者が恭しく一礼いたしますと、明主様はお車の中で、お …

里芋ひとつにも礼を忘れない

 東山荘の下で、私は野菜を少し作っていました。  そして、里芋でも出来ると、お初を差上げるのですが、娘を伺わせにやると、明主様は、『喜んでもらいますよ』とおっしゃって下さり、そのつぎにお目にかかると、『あれは、おいしかっ …