私の胸の中に、ある不平ごとがあって、そのことを明主様に申し上げなければいられなくなり、私は碧雲荘へお伺いしました。
明主様は、テーブルを前にして、廊下の椅子にかけていらっしゃいましたが、私がご挨拶して向かいの椅子に腰をおろすと同時に、『あんたは大分頭が浄化している』とおっしゃいました。これは私の不平ごころを見抜いてのお言葉でしょう。
それから明主様は、二、三分間ご浄霊をして下さいましたが、お手をおろされると、『どうだ。もういい気分になっただろう』とおっしゃいました。事実、その時は、私の胸のモヤモヤもすっかり消えて、すがすがしい気持になっていました。
ああ、明主様は何もかも──私をイライラさせていた不平ごとも何もかもが、すっかりおわかりになっていたのです。私は何も言うことができなくなって、そのまま帰って来ましたが、こちらがひと言も言わなくとも、全部お見通しの明主様を、私はほんとうにこわいお人としか思えません。