岡田先生療術上(三) 【真の健康法】

 元来、真の健康法というものは、霊体を曇らせない様にする事である。霊体を曇らせない様にするには、その根元である魂を曇らせない様にする事であります。

 ここに、一個の人間があるとする。この人が間違った事をする。秘密的な人に知られて悪いような事をすると良心が咎める。それ丈でも魂は曇るのであります。

 又人を苦しめる様な事をすると気が咎めて自分自身が曇ると共に、苦しめられた人の想念が曇となって来るのであります。その適切な例があります。

 某大デパートの専務ですが、代々不思議に病気になったり早死したりする。これは如何いう訳かというと、デパートの繁栄によって打撃を与えられている多数の小売商人が始終怨んでいる。多数のその怨みの想念が始終来る為であります。

 成金の没落なども同一の理であって、多数の嫉みの想念の為であります。又若くして名人になったり出世をしたりする芸術家などもよく早死しますが、そういう訳なんであります。

 右は全部という訳でもないが、名人でも徳のある人は例外の場合もあります。

 今度は反対に人を助けたり人が感謝する様な行をすると、その感謝の念は『光』となってその人に来るので、それによって曇はそれだけ解けるから、其人は常に健康でいつも朗かでおられるのであります。これに依てみても真の健康法とは、正しい想念と善徳を施す以外にはないのであります。

 その人の行が俯仰天地に愧じないならば、心魂は常に爽快明朗であります。ですから、病気はある程度自分が作るのであって、それに依って苦しむものなのであります。

 祖先の罪穢と雖も自分の行り方によって消えるのであります。

「『岡田先生療病術講義録 上巻(三)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p194」